堅牢、優美な漆器 輪島塗。
その工程は100以上に及び、完成までに1年以上かかることもあります。
独特の「塗師屋文化」と「高度な技術の伝承」により世にその名を広めた輪島塗の歴史は遥か江戸時代にさかのぼります。
輪島は日本海に面した能登半島の先端にある人口3万人足らずの小さな町ですが、原料である漆の木とケヤキ、アテなどの木地が豊富であったこと事に加え、数多くの行商人、職人、そしてお客様により磨かれてきたことが今日まで続く輪島塗の発展を支えてきました。
塗師屋が自ら全国に行商にでるのが輪島の特徴であるいわゆる「塗師屋文化」であり
※塗師屋とは漆器の企画・製造・販売までを取りまとめる人や家業。漆のプロデューサーのような役目。
輪島塗の高い技術は「年季明け」と呼ばれる従弟制度により受け継がれています。
塗師屋がある商品を作ろうとすると、まずは木地師に木地の制作依頼をします。
その後、堅牢な輪島塗の基礎となる下地塗、研ぎ、上塗り・・・・といくつもの工程を経て蒔絵や沈金などの華麗な加飾が施されお客様の手へと届きます。
各工程において高い技術を習得した職人たちの手から手へ渡り、輪島全体が一つの工房のように結びついているのです。
また、忘れてはならない輪島塗の特徴があります。
それは、修理が可能だということです。
修理をすることにより、何代も受け継いでいくことができます。美術品としてはもちろん日用品として気軽に使っていただきながら、代々受け継ぐことができる芸術品であることも是非知っていただければと思います。
輪島塗とは、長年受け継がれてきた文化と、漆・地の粉などの自然が生み出す命が吹き込まれた日本人の心ともいえるのではないでしょうか。
漸く秋の風が心地よい季節となりました。ここ輪島では世界農業遺産「白米千枚田」の稲が黄金色に輝き風に揺られています。 今年もジェイアール名古屋タカシマヤにて箱瀬淳一展を下記の通り開催させていただきます。 普段使いに映える素
現在ジェイアール名古屋タカシマヤ 9階特設会場にて、「箱瀬淳一 漆―うるわし蒔絵の今」展を開催させていただいております。 作り手のこだわりから生まれる美しい造形に箱瀬氏の繊細で美しい蒔絵が光ります。 気軽に取り入れていた
各地より初霜の知らせが届くころとなりました。 ここ輪島でも先日初雪を観測、北陸ではこの時期に日本海を回遊する寒鰤が、初冬の雷と合わせて獲れ始めることから 寝ている鰤を「起こす」という意味をかけて、この時期の雷を「鰤起こし
虫の音が心地よく、朝晩過ごしやすくなってきました。 さて、高洲堂では下記の通り、箱瀬淳一展を開催させていただきます。 静寂と躍動感を感じる「蒔絵」となめらかな漆の「塗り」の美しさを 是非、見て触れて感じていただければと思
1955年輪島市生まれ。1975年、蒔絵氏田中勝氏に師事。 5年間の修行ののち、下地職人に再び弟子入り。 輪島塗では各工程ごとに職人さんが腕を振るう分業制が特徴ですが、 箱瀬先生の物つくりへのエネルギーは「一から自分の手
世の中がどんなに進化・変化したとしても
芸術や工芸の美に
心を震わせる時間が日常でありますように
🄫 2020 KANAEYA